英国の新聞戦争、明暗 「サン」と「FT」

1月12日16時13分配信 産経新聞

 


■「サン」値下げでも300万部割れ 「FT」部数拡大 強気の値上げ
 徹底した大衆路線で英国最大の発行部数を誇るタブロイドの朝刊紙サンが値下げしたにもかかわらず、1974年以来初めて300万部を割り込んだ。一方、英新聞業界が軒並み部数減に苦しむ中、高級経済紙フィナンシャル・タイムズだけが部数を拡大、昨年に続き値上げに踏み切るなど、部数の増減と価格政策の対応が大きく分かれた。

 サンは1969年、後に「メディア王」と呼ばれるルパート・マードック氏によって買収され、3ページ目のヌードモデルやセンセーショナリズムなど大衆路線を徹底。2004年には約340万の部数を誇っていた。

 11日に発表された英ABC(新聞雑誌部数公査機構)全国紙調査によると、サンは昨年9月、1部35ペンス(約74円)から20ペンス(約42円)に値下げしたが、効果はなく先月の平均発行部数は前年同期比1・42%減の298万5672部。同じタブロイドのデーリー・ミラーも同3・04%減の149万4114部と苦戦を強いられている一方、フィナンシャル・タイムズだけが同2・62%増の44万9187部と気を吐いた。

 史上空前の世界的好景気を背景に、同紙は7日から1部当たり11〜15%値上げした。平日は1ポンド50ペンス(319円)▽週末は2ポンド(425円)になった。昨年6月に平日版を30%値上げしたばかりだが、国際ニュース報道や電子版の投資負担増を再値上げの理由に挙げている。

 同紙の最高責任者ジョン・リッディング氏は英業界紙プレス・ガゼットに対し、「部数は世界的にも英国内でも増えている。わが社にとっては多大な成功を収めた1年だった。質の高い報道、地球規模の情報を世界中で一度に編集する価値に対する強くて持続的な需要がある」と話している。 (ロンドン 木村正人)



購買層が全くと言っていいほどカブらないSUNとFTの2紙を「競争相手」として同等に比較するのはかなり乱暴だろう?例えて言うなら、Jリーグのチケットの売り上げとジャニタレのコンサートチケットの売り上げを比べるのと同じぐらい、それ自体の比較には意味が無い事の様に思える。


どうせ記事にするなら、
競合するガーディアンやインディペンデントなんかと比較して、なぜFTが一人勝ちしているのか?とか、
FTとサンの購買層の違いを特定(identify)した上で、この事から窺える社会格差の広がり(なのか?)とか、
もっと突っ込んだ解析をして欲しかった。